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- 2022.11.11
- 訪問看護エピソード「疼痛を伴う癌のターミナルケア②」
セコム訪問看護ステーションでは、ご利用者の価値観や人生観を大切に看護を行っています。
そんな訪問看護師たちの思いを、実際に訪問した事例を通してご紹介していきます。
「疼痛を伴う癌のターミナルケア②」(前回のエピソードはこちら)
退院後は痛みもコントロールされ、Kさんは明るい表情をしていました。
「やっぱり家にいるのはいいよ。慣れた匂いがするし、子供たちもいつもすぐそばにいるし」とよく話していました。会社にも出社し、「社長として、社員に直接給料を手渡しし、最後の挨拶をしたい」というKさんの希望を叶えることもできました。
しかし、1か月が過ぎたころから腹部から背部にかけての疼痛が増強し、会社へ出社する回数も減少してしまいました。痛みは訪問時間外にも起こります。Kさんの場合、鎮痛薬以外に蒸しタオルでの指圧マッサージが効果的で、家族でも実施可能なため、痛みがある時や眠れないときに、実施してもらうようお願いをしました。
在宅医療では、医療職が常にそばにいるわけではありません。鎮痛薬以外での疼痛緩和の方法や、家族でもできる方法を考え、実施しました。
ターミナル期を迎え、疼痛コントロールは十分できていましたが、徐々に全身状態の悪化が見られました。Kさんには下血が見られましたが、ポータブルトイレは使用せず、家のトイレを使用していました。トイレに行けないという事実を認めると、Kさんの気力がなくなってしまうため、できる限り家のトイレを使用していたのです。
病院であれば、本人の意思に関係なく絶対安静の状況を強いられます。禁止や静止は看護の中で必要なときもありますが、ときに本人の意向やプライドを傷つけてしまうこともあります。ベッドをトイレに近づけるなどの対応をし、少しでも楽にトイレに行けるようにしました。
次回に続きます。