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訪問看護の現場から

その他

2022.12.01
訪問看護エピソード「疼痛を伴う癌のターミナルケア③」

セコム訪問看護ステーションでは、ご利用者の価値観や人生観を大切に看護を行っています。
そんな訪問看護師たちの思いを、実際に訪問した事例を通してご紹介していきます。

「疼痛を伴う癌のターミナルケア②」(前回のエピソードはこちら)


翌日の訪問で、挨拶をするとKさんは少し微笑んで、軽く右手を差し出して答えてくれました。Kさんは「もう...死ぬ...ね」と呟き、自分自身の「死」を悟っているようでした。
もうこの頃は、疼痛や症状のコントロールの時期ではなく、悔いのない最期を迎えられるように、Kさんや家族の精神的なフォローに時間を費やしました。急変時や医療職がそばにいない時の対応について、家族に具体的な指導を行い、医師とも綿密に打ち合わせを行いました。

最期の1週間は、Kさんと家族の思いがお互いに通じ合うファイナルギフトの時間になりました。家族が24時間交代でKさんのそばに座り、Kさんと家族の手首は「お父さんガンバレ!」と書かれたピンクのリボンで繋がれていました。医療者はこんなとき、静かに見守るしかありません。家族は医療者がいるだけで安心と言います。何かあったとき、相談ができ、現在の状況や今後のことを説明してくれることを期待しています。そして「見守る」ことも大切な看護です。Kさんは最期まで意識があり、家族に見守られながらご自身の誕生日の朝に亡くなられました。

今回は、疼痛がありながらも自宅で最期を迎えられるようなケアを行いました。
住み慣れた家で、本人の希望を尊重しながらケアをすること、そして「見守るだけ」も大切な看護ですね。